線香のあげ方と本数|宗派による違いと弔問の基本マナー

香炉の前に座ってから、線香を何本立てるのか分からなくなります。
線香のあげ方は、仏前に一礼して火をつけ、香炉に立てるか寝かせてから合掌する、という流れが共通です。宗派で変わるのは本数と置き方で、1本とする宗派と3本とする宗派に分かれます。
同じ宗派でもお寺や地域で扱いが違うため、迷ったときは先に線香をあげた人と同じ本数に合わせれば作法から外れません。本記事では、線香をあげる基本手順・宗派ごとの本数の目安・弔問先とお墓での違いを解説します。

いい仏具編集部
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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
線香のあげ方の基本は一礼・点火・香炉・合掌の4段階
仏壇でも祭壇でも、動作の順番は変わりません。
まず仏壇の前に座り、遺影とご本尊に向かって軽く一礼します。
次にろうそくの火を線香の先に移し、炎が立ったら炎だけを消して煙が上がる状態にしてから、香炉の灰に立てます。
最後に合掌して一礼し、静かに下がります。
合掌のときに数珠を持つなら、房を下にして左手に掛け、そのまま両手を合わせます。焼香台の前での持ち替えや、移動中の扱いは数珠の持ち方の作法で解説しています。
香炉の灰に立てるとき、前の人が立てた線香の隣に無理に差し込むと、灰がえぐれて線香が倒れます。
灰の中央が混み合っているときは、少し外した位置に真っ直ぐ立ててください。
そもそも線香を供えるのは、香りを故人への供養とする「香食(こうじき)」の考えにもとづくとされています。
この意味づけについては線香をあげる理由と煙の役割で解説しています。
宗派で変わるのは線香の本数と置き方
本数の違いは、香炉の作りと宗派の考え方の両方から来ています。下の表は広く案内されている目安で、同じ宗派でもお寺や地域によって扱いが異なります。
| 宗派 | 本数の目安 | 置き方の目安 |
|---|---|---|
| 天台宗・真言宗 | 3本 | 自分側に1本、仏側に2本で三角に立てる |
| 浄土宗・日蓮宗 | 1本 | 香炉の中央に立てる |
| 曹洞宗・臨済宗 | 1本 | 香炉の中央に立てる |
| 浄土真宗本願寺派 | 1本 | 立てる。長いときは折る |
| 浄土真宗大谷派 | 1本 | 香炉に入る長さに折り、寝かせる |
3本立てるときの並べ方
天台宗や真言宗で3本とするのは、仏・法・僧の三宝に供える形と言い伝えられています。
立てる位置は、自分から見て手前に1本、奥に2本を置いて逆三角形にする形が知られています。
3本をまとめて一か所に差すと束のまま燃えて炎が立ちやすいため、珠一つ分ほど間隔を空けてください。
浄土真宗は本数より寝かせるかどうか
浄土真宗では1本とされ、大谷派では香炉の幅に合わせて線香を2つか3つに折り、灰の上に寝かせる作法が案内されています。
本願寺派では立てる形が案内されており、同じ浄土真宗でも一律ではありません。
実家やお寺で寝かせてあるなら、それに倣ってください。
折るのは失礼ではなく、香炉の大きさに合わせるためです。
火は口で吹き消さず、手であおぐか軽く振る
線香に火をつけるときは、仏壇のろうそくから移します。
ライターやマッチで直接つけても作法として責められるものではありませんが、灯明の火を分けていただく形が仏前では通例です。
マッチを使ったときは、燃えがらを香炉の灰に差さず、マッチ消しか灰皿に置いてください。
線香の先に炎が立った状態では香りが立ちません。
炎は手で軽くあおいで消すか、線香を持った手を上下に小さく振って消します。
横に大きく振ると灰と火の粉が飛びます。
息で吹き消さないのは、人の口を不浄とみなす考えが仏事に伝わっているためとされています。
火を使えない事情があるときは、LEDの光で線香に見立てる電子タイプもあります。高齢の方が一人で仏壇を守っている場合や、火気の制限がある住宅での選択肢は火を使わない電子線香の選び方で解説しています。
弔問先で線香をあげるまでの流れ
自宅へ弔問したとき
玄関で遺族に挨拶し、すすめられてから仏間へ入ります。
祭壇の前では、まず遺族のほうへ体を向けて一礼し、次に遺影へ一礼してから線香をあげます。
合掌が終わったら、座ったまま少し後ろに下がり、もう一度遺族へ一礼して席を立ちます。
あげる本数は、直前に誰かがあげているならその本数に合わせれば足ります。
通夜・葬儀の式場では焼香になる
通夜や葬儀の会場では、線香ではなく抹香をつまんで香炉にくべる焼香の形が取られます。
線香を立てるのは、自宅の祭壇や、一周忌など自宅・お寺での法要で参列者が順に参るときです。
式場で線香が用意されている場合は、係の案内に従ってください。
鐘(おりん)を鳴らすかどうか
弔問で線香をあげるとき、おりんを鳴らさない扱いが仏事の場では取られます。
おりんは読経の始まりや区切りを示す道具で、僧侶が鳴らすものとされているためです。
ただし地域や家によって、お参りのたびに鳴らす習慣もあります。
役割と鳴らす場面はおりんの意味と鳴らすタイミングで解説しています。
お墓の線香は束のまま寝かせる
墓前の香立は、線香を横に寝かせて置く皿型のものが多く見られます。
お墓では1本ずつ立てるのではなく、束のまま、または参る人数で分けて火をつけ、皿に寝かせます。
屋外は風で火が消えるため、束の側面に広く火を当てて全体に火を回してください。
風防付きの着火器や、線香用のろうそくを使うと点火が安定します。
供えた線香は燃え尽きるまでその場で見届け、燃えがらは香立に残さず持ち帰るか、霊園の指示に従って処分します。
枯れた花や食べ物のお供えも同じで、置いたままにすると鳥や虫が寄ります。
夏場は乾いた落ち葉が香立の周りにたまるため、線香を置く前に周囲を払っておいてください。
毎日のお参りとお盆で変わる扱い
自宅の仏壇へ毎日あげるなら、朝のお参りで1本が通例です。
仏飯を供え、ろうそくに火を灯し、線香をあげて合掌するという流れになります。
日中に来客があれば、そのたびにあげて構いません。
お盆については、迎え火や送り火、精霊棚の飾り方に地域差が大きく出ます。
線香を絶やしてはいけないという決まりは仏教の教えとして定められたものではなく、火を絶やさない習慣がある土地もあれば、朝夕にあげるだけの家もあります。
留守にする時間があるなら、火を消してから出かけてください。
帰省や弔問で線香を持参する場合は、進物用として桐箱に入った贈答向けのものが選ばれます。香りの傾向や老舗の定番については鳩居堂の線香の銘柄と選び方の目安で解説しています。
よくある質問
線香をあげるとき、鐘を鳴らしてもいいですか
弔問先では鳴らさずに合掌してください。
おりんは読経の合図として僧侶が鳴らす道具とされています。
自宅の仏壇で家族が日課として鳴らしている場合は、その家の習慣に従って構いません。
本数を間違えて3本立ててしまいました
抜き取って立て直す必要はありません。
本数は宗派の慣習で、間違えたことが故人や遺族への非礼になるものではありません。
次の人があげるときに気になるなら、そのまま合掌を済ませて静かに下がってください。
香炉に立てた線香が途中で消えてしまいます
灰が固く締まっていると、線香の先に空気が届かず消えます。
灰を灰ならしでほぐして空気を含ませ、線香を深く差し込みすぎないようにしてください。
線香の先が灰に触れていると、そこで火が止まります。
浄土真宗大谷派では線香を立ててはいけないのですか
折って寝かせる作法が案内されていますが、立てたことが咎められる性質のものではありません。
香炉が小さく線香が収まらないために折るという説明もされています。
実家やお寺での扱いに合わせるのがいちばん確かで、判断がつかないときは住職に尋ねてください。
まとめ
線香のあげ方は、一礼して火をつけ、炎を消してから香炉に置き、合掌するという4段階で共通しています。
宗派によって変わるのは本数と置き方だけで、天台宗と真言宗が3本、ほかの宗派は1本という目安が広く案内されています。
浄土真宗では折って寝かせる作法もあり、同じ宗派でもお寺や地域で違います。
火を口で吹き消さない、マッチの燃えがらを灰に差さない、弔問先でおりんを鳴らさない。
この3つを外さなければ、本数を1本多く立てたことが問題になる場面はありません。
お墓では束のまま寝かせ、燃え尽きるまで見届けてから片付けてください。
ぜひ本記事の宗派別の本数一覧と弔問先での流れを参考に、明日訪ねる先の作法に合わせて線香をあげてください。





