袱紗からの香典の渡し方|受付での手順と向きの作法

受付の列が進んで、あと2人で自分の番です。カバンの中の袱紗(ふくさ)から香典袋を出すのか、袱紗ごと差し出すのか、ここで手が止まります。
渡し方は、袱紗から香典袋を取り出し、たたんだ袱紗を香典袋の下に添えて、両手で差し出すのが基本の形です。
弔事の袱紗は左開きに包み、受付の人から表書きが読める向きに直してから渡します。
香典袋をむき出しでカバンから出したり、袱紗に包んだまま押し出したりすると、そこだけで作法から外れます。
本記事では、受付に着いてから記帳までの手順・弔事の包み方と左右の向き・金封タイプや風呂敷型での扱い方を解説します。

いい仏具編集部
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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
袱紗の渡し方は「取り出して、たたんで台にする」まで含む
袱紗は、香典袋やご祝儀袋を包んで持ち運ぶための布、または布製のケースです。
受付では袱紗から香典袋を抜き出し、袱紗をその場でたたんで香典袋の下に敷き、表書きを相手に向けて両手で差し出します。
ここまでが一連の渡し方で、袱紗は相手に渡さず自分が持ち帰ります。
袱紗を使う目的は、香典袋を折れや汚れから守ることと、お金をむき出しで持ち歩かないという配慮の2点です。喪服のポケットやカバンに直接入れると、角がつぶれたり水引がずれたりしますし、受付でそのまま出す形は袋の扱いが軽く見えます。
たたんだ袱紗を下に敷くのは、正式な場では切手盆(きってぼん)という小さな黒塗りの盆に香典袋を載せて差し出すためです。
一般の弔問では盆を持参しないので、たたんだ袱紗がその代わりになります。
手のひらに直接載せて渡すよりも、布を一枚介したほうが形が整います。
袱紗そのものの種類や由来は袱紗とは何かという基本で解説しています。
受付に着いてから記帳までの流れ
袱紗は列に並んでいる間に出しておく
受付の前で袱紗をカバンから探し始めると、列が止まります。
順番が近づいたらカバンから袱紗を出し、香典袋がどちら向きに入っているかを手元で確かめておいてください。
冬場のコートは受付前に脱いで腕にかけ、両手が使える状態にします。
お悔やみの言葉を述べてから取り出す
自分の番になったら軽く一礼し、「このたびはご愁傷(しゅうしょう)さまでございます」などと短く述べます。
長く話す場面ではないので、一言で足ります。
そのあと袱紗を開いて香典袋を取り出し、袱紗を四つ折り程度にたたんで香典袋の下に添え、「心ばかりですが、御霊前(ごれいぜん)にお供えください」と言い添えて両手で差し出します。
片手で渡したり、差し出しながら別の手でカバンを持ち直したりしない形が整います。
記帳の順番は会場の案内に従う
香典を渡してから会葬者名簿に記帳する会場と、記帳を済ませてから香典を出す会場があり、どちらが正しいという決まりはありません。
受付に「こちらにご記帳をお願いします」と案内があればその通りに動いてください。
記帳の間はたたんだ袱紗を左手に持つか、カバンに戻します。
台の上に置いたままにすると、忘れて帰る原因になります。
弔事の袱紗は左開き|包む向きと差し出す向き
風呂敷型は右・下・上・左の順にかぶせる
風呂敷型の袱紗を広げ、香典袋を中央よりやや右寄りに、表書きが上を向くように置きます。
そこから右側をかぶせ、下、上と折り、最後に左側を重ねます。
最後に左が上になるので、開くときは左手で左側から開く形、いわゆる左開きになります。
慶事のご祝儀袋はこの左右が逆で、最後に右を重ねる右開きです。
弔事と慶事で包み方が反対になる点だけ覚えておけば、袱紗を裏返して迷うことはありません。
なお折る順序は地域や流派で説明が違う場合があり、左開きになっていれば弔事の形として通ります。
差し出すときは表書きを相手から読める向きに
袱紗の中では表書きが自分から読める向きに入っていますが、受付に差し出す瞬間は相手から読める向きへ回します。
自分の手元で香典袋を180度回し、「御霊前」「御香典」の文字が受付の人に正面を向いた状態で、両手を添えて前に出してください。
回すのは袱紗から取り出したあと、たたんだ袱紗の上に載せるときが自然なタイミングになります。
左右どちらの手が上、という決まりまではないので、袋の下に袱紗ごと両手を添える形で構いません。
金封タイプ・台付き・風呂敷型で変わる袱紗の扱い
以下の袱紗の価格は2026年7月時点の一般的なレンジで、店や素材によって上下します。
金封(きんぷう)袱紗
香典袋を挟み込むだけの長財布のようなタイプで、1,000〜3,000円程度が中心です。
弔事では、開きが左側にくるように香典袋を差し込みます。
受付では左手で開いて袋を抜き、開いた金封袱紗をそのまま二つ折りに戻して下に敷きます。
包み直す手間がないので、受付が混み合う場面でも手が止まりません。
台付き袱紗
小さな板状の台が付属し、その台に香典袋を載せてから布をかぶせるタイプです。
台がリバーシブルになっているものは、弔事ではグレーや紺の面を上にして使い、赤い面は結婚式などの慶事に使います。
受付では台ごと差し出してよく、切手盆に近い形になります。
台と布を渡してしまわないよう、袋だけが相手の手に移ったのを確かめてから引いてください。
風呂敷型・爪付き
一枚の布、または留め具の爪が付いた布のタイプで、500〜2,000円程度から見つかります。
包み方を覚える必要はありますが、香典袋の大きさを選ばないので、金額が大きく袋が厚い場合にも使えます。
弔事に使える色は紺・グレー・深緑・紫などで、赤やピンクは慶事用です。
紫は慶弔どちらにも使えるとされる色で、1枚だけ持つなら選択肢に入ります。
色の線引きは袱紗の色のマナーで、両用で選ぶ基準は慶弔両用の袱紗の選び方で解説しています。
受付がないとき・遺族に直接渡すときの作法
家族葬や自宅での弔問では受付が置かれないことがあります。
その場合は遺族に直接渡しますが、玄関先で慌てて出すのではなく、部屋に通されて挨拶を交わしたあとに袱紗から取り出してください。
差し出す向きと両手を添える形は受付と同じで、「御霊前にお供えください」と添えれば足ります。
遺族が弔問客の対応で立て込んでいて渡す間がないときは、祭壇や仏壇の前に供える方法もあります。
香典袋を供える場合は、故人から表書きが読める向き、つまり自分の側から見て文字が逆さになる向きに置くのが一般的な作法とされています。
ただしこの向きは地域や寺院の慣習で異なり、遺族が受付で預かる形をとっている場合もあるので、その場の案内に従ってください。
通夜と葬儀・告別式の両方に参列する場合、香典は最初の一度だけ渡します。
二度渡すと不幸が重なるという言い方があり、実際にも受付の記録が二重になります。
二日目は記帳のみで問題ありません。
袱紗を忘れた・袱紗ごと渡してしまったときの対処
袱紗が用意できなかった場合
袱紗がないまま香典袋を裸で持参するより、無地のハンカチや小さな風呂敷で包むほうが形になります。
色は白・グレー・紺など落ち着いた無地を選び、柄物やタオル地は避けてください。
開き方や折り順は袱紗と同じ考え方で扱えます。
急ぎで買い足すなら、仏具店や文具店、スーパーの文具売り場などで扱いがあります。
当日の入手先は袱紗はどこで買えるか、100円ショップでの取扱いの実情はダイソー・セリアの袱紗で解説しています。
袱紗ごと渡してしまった場合
受付の人が袱紗も一緒に受け取ってしまったら、「袱紗は持ち帰りますので」と声をかけて返してもらって構いません。
無理に押し付けたり、そのまま置いて帰ったりすると、受付側が遺族への引き渡し時に扱いに困ります。
返してもらう一言は失礼になりませんので、その場で伝えてください。
渡し方を間違えたと気づいた場合
表書きの向きが逆だった、片手で出してしまったといった行き違いは、あとから訂正できません。
受付は短時間で多くの弔問客をさばく場なので、そこで謝罪を重ねるほうが列を止めます。
会場では姿勢と言葉づかいを整えることに集中し、次の機会に向けて袱紗を1枚用意しておけば十分でしょう。
よくある質問
袱紗は受付の目の前で開くのですか
受付台の前に立ってから開いて構いません。
順番が来る前にカバンから出しておき、自分の番になって挨拶を述べたあとに開き、香典袋を取り出します。
列に並んでいる間に開いて香典袋を手に持ったまま待つと、袋の角がつぶれます。
たたんだ袱紗は香典袋の下に敷くのですか、横に添えるのですか
下に敷きます。
切手盆の代わりとして使うので、香典袋が袱紗に載った状態を作り、その全体を両手で差し出します。
金封袱紗なら二つ折りに戻した状態、風呂敷型なら四つ折り程度にたたんだ状態で足ります。
紫の袱紗しか手元にありません。弔事で使えますか
使えます。
紫は弔事と慶事のどちらにも使えるとされる色で、袱紗を1枚だけ持つ場合に選ばれます。
弔事で使うときは、左開きになるよう包む向きだけ確かめてください。
結婚式のご祝儀と渡し方は同じですか
袱紗から取り出して両手で差し出す流れは同じですが、包む向きが左右逆になります。
ご祝儀袋は右開きに包み、受付では「本日はおめでとうございます」と述べてから渡します。
台付き袱紗のリバーシブルの台は、慶事では赤い面を使います。
まとめ
袱紗からの香典の渡し方は、受付に着く前に袱紗を手元に出し、挨拶を述べてから香典袋を取り出し、たたんだ袱紗を下に敷いて表書きを相手に向け、両手で差し出すという流れになります。袱紗は渡さずに持ち帰るものなので、受け取られそうになったら一言添えて返してもらってください。
迷いやすい左右の向きは、弔事は左開き、慶事は右開きという一点に集約されます。
風呂敷型なら香典袋を中央やや右に置いて右・下・上・左の順にかぶせ、金封袱紗なら開きが左にくるよう差し込めば、どちらのタイプでも同じ形になります。
受付がない家族葬では遺族に直接渡し、渡す間がなければ祭壇に供えますが、向きの慣習は地域で異なるためその場の案内に従ってください。
ぜひ本記事の受付での手順と、弔事は左開きという向きの作法を参考に、当日の手元の動きを一度だけ確かめてから出かけてください。




