浄土真宗の数珠|選び方・持ち方・ふさの色【本願寺派/大谷派】

仏具店の棚には、一連の片手数珠と、珠を二重に巻いた二連の数珠が並んでいます。浄土真宗で本式とされるのは、女性用が二連、男性用が一連の念珠です。
さらに本願寺派(西本願寺)と大谷派(東本願寺)では房の仕立てが分かれ、本願寺派は切房と紐房、大谷派は頭付房が使われます。
珠を繰って回数を数えないという扱い方も、他宗派との大きな違いです。
本記事では、浄土真宗の本式念珠の形・本願寺派と大谷派の持ち方の違い・男女別の珠の選び方と略式数珠で参列してよいかを解説します。

いい仏具編集部
「いい仏具」は、数珠・盆提灯・線香・位牌など、仏具の選び方と仏事マナーの実用情報サイトです。急に必要になったときに買える場所を、ダイソー・イオン・仏具専門店など身近な店の公式情報で確認して案内するほか、主要8宗派の作法の違い、素材の格と値段、修理・処分の方法、仏壇じまいや手元供養といった供養の変化まで、7つのジャンルで解説しています。価格や取扱状況にはすべて確認時点を明記し、変更を確認し次第更新しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
浄土真宗の数珠は、数を繰るために持ちません
浄土真宗では、念仏を何回称えたかを数珠で数えることをしません。
阿弥陀仏の救いに対して回数や功徳を積み上げるという考え方を取らないため、珠を繰る所作そのものが作法に入っていないのです。
数珠は、合掌する手に掛けて仏前に向かうための仏具として持ちます。
そのため、両手で珠を擦り合わせて音を立てる持ち方もしません。
合掌のときは房を静かに垂らし、手を合わせた形を崩さないようにします。
浄土真宗では念珠(ねんじゅ)という呼び方も使われますが、数珠と念珠は同じものを指す別の呼び名です。
数を繰る使い方をする宗派もあります。
たとえば浄土宗の日課数珠には、称えた回数を数えるための小さな輪が付いていて、浄土宗の日課数珠の選び方で仕立ての違いを解説しています。
同じ「数珠」でも、宗派によって道具としての役割が変わるわけです。
本式は108玉、男性用は一連・女性用は二連
本式念珠は、主玉108個に親玉(おやだま)・四天玉(してんだま)・弟子玉(でしだま)が組み合わさった形です。
女性用はこの長い一連を二重に巻いて用いるため、売り場や通販では「二連」「二輪」と表示されています。
男性用は珠数を抑えた一連(単輪)の片手念珠が本式として扱われます。
108という数の由来は数珠とは何かと玉の数の意味で解説しています。
本願寺派と大谷派で分かれるのは房の形
同じ浄土真宗でも、本願寺派と大谷派では房の仕立てが違います。珠の構成や数を繰らないという扱いは共通で、店頭で見分けがつくのは房のほうです。
| 項目 | 本願寺派(西本願寺) | 大谷派(東本願寺) |
|---|---|---|
| 男性用 | 一連の片手念珠 | 一連の片手念珠 |
| 女性用 | 108玉を二重にした二連 | 108玉を二重にした二連 |
| 房の形 | 男性用は紐房、女性用は切房 | 男女とも頭付房 |
| 合掌時の房 | 下へ垂らす | 左手側へ垂らす |
本願寺派の男性用に使われる紐房は、蓮如結び(れんにょむすび)と呼ばれる結び方で紐を組んだものです。
撚った糸が下がる形ではないので、ほどけたり広がったりしにくい仕立てになっています。
大谷派の頭付房は、房の付け根に糸を巻いた「頭」があり、そこから撚り房が下がります。
ただし、どちらの派でも略式の数珠を使う門徒はいますし、案内される形はお寺や地域によって異なります。自分の家の菩提寺で使うものを選ぶなら、お寺に尋ねると、その寺で案内している形が分かります。
浄土真宗の数珠の持ち方と合掌の作法
合掌するとき
本願寺派では、二連にした数珠を両手の親指と人差し指の間に掛け、房を下に垂らします。
親指で軽く押さえるようにして、手のひらを合わせます。
男性用の一連も同じで、輪を両手に通してから合掌します。
大谷派では、二重にした数珠を両手に掛けたうえで、房を左手側へ垂らす形が案内されています。
押さえ方を含めた細部はお寺や地域で異なりますので、法事の場では周囲の作法に合わせてください。
いずれの派でも、片手だけに掛けて合掌する形は取りません。
焼香と移動のとき
焼香では、左手に数珠を掛けたまま右手で香をつまみます。
浄土真宗では香をおしいただかず、そのまま香炉にくべる形が広く案内されており、回数は本願寺派で1回、大谷派で2回とされています。
これもお寺によって案内が異なることがあります。
移動中や着席しているあいだは、左手に持つか、房を下にして左手首に掛けておきます。
畳や椅子、テーブルの上に直接置かず、使わないときは数珠袋にしまってください。
焼香の順番待ちや席を立つときの扱いは数珠の持ち方と焼香時の作法で解説しています。
男性用と女性用で変わる珠の大きさと素材
男女で分かれるのは、珠の直径と色味です。
男性用は8mm前後から10mm程度の大きめの珠で組まれ、女性用は6〜7mm程度の小ぶりな珠が中心になります。
女性用の本式が108玉でも手に収まるのは、珠が小さいためです。
二連を二重に巻いたときの輪の大きさは、手首まわりに軽く余裕が出る程度が目安になります。
木の珠と石の珠
木の珠には黒檀(こくたん)・紫檀(したん)・栴檀(せんだん)などが使われます。
軽くて手に馴染み、落ち着いた色合いなので、弔事でも法事でも使い分けに迷いません。
石の珠は水晶・瑪瑙(めのう)・虎目石などで、木より重さがあり、光沢が出ます。
どちらを選んでも作法上の優劣はありませんので、持ったときの重さと色の好みで決めて差し支えありません。
女性用は、透明感のある白や薄紫といった淡い色が選ばれます。年代による色の選び分けは女性用数珠の色と石の選び方で解説しています。
房の色は宗派では決まっていません
「浄土真宗ならこの色の房」という決まりはありません。
派の目印になるのは色ではなく、切房・紐房・頭付房という形のほうです。
色は、弔事なら白・銀鼠(ぎんねず)・藤・茶といった落ち着いたものが選ばれ、赤や金の強い色は葬儀や法事の場では避けられます。
房は数珠のなかで最も傷みやすい部分です。
撚り房や切房は、袋に入れずカバンへ放り込むと擦れて毛羽立ち、根元から糸がほつれます。
紐房は組んである分ほつれにくい構造ですが、無理に引っ張ると結び目が緩みます。
房だけが傷んだ場合は仏具店で房替えができるので、珠が無事なら買い替えずに済みます。
略式数珠で法事に出てもよいか
出られます。
略式(片手)数珠はどの宗派でも使える形で、急な通夜や葬儀に一本だけ用意するならこれで足ります。
浄土真宗の法事に略式で参列しても、作法として咎められるものではありません。
持ち方は本式と同じで、両手に掛けて房を垂らし、珠を繰らずに合掌します。
他宗派の本式数珠しか持っていない場合は、自分の家の宗派の数珠を持って参列するという考え方が広く案内されています。
ただし、真言宗の振分数珠を擦って音を立てるような、その宗派固有の所作は浄土真宗の場では行いません。
振分数珠の形については真言宗の数珠と108玉の意味で解説しています。
門徒として自分の家の法事や報恩講に出る機会があるなら、本式を一本持っておくと、派に合った形で仏前に向かえます。日常の弔事用に略式、家の行事用に本式という二本立ての持ち方をしている家庭もあります。
浄土真宗の数珠を買える場所と価格の目安
取り扱いの中心は仏具店です。
本山や寺院の周辺にある仏具店、百貨店の仏具売り場、京都などの数珠専門店、それに通販でも扱われています。
本願寺派用・大谷派用と分けて並べている店もありますが、品揃えは店舗や時期で変わりますので、派を指定して探すなら在庫を問い合わせてから足を運ぶと空振りになりません。
以下の価格帯は2026年7月時点の目安で、素材と仕立てによって上下します。
略式の片手数珠はおおむね3,000〜10,000円程度、本式の二連は10,000〜30,000円程度が一つの目安です。
珊瑚や上質な水晶、本連の菩提樹などを使ったものはこれを超えます。
通販で注文する前に確かめる項目
- 本願寺派用か大谷派用か(房の形が切房・紐房か、頭付房か)
- 男性用の一連か、女性用の二連か
- 珠の直径(男性用は8〜10mm前後、女性用は6〜7mm前後)
- 房の色が弔事に使える落ち着いた色か
- 房替えや糸替えの修理に対応しているか
商品ページに「浄土真宗用」とだけ書かれていて派の記載がない場合は、房の形を写真で確かめてください。写真でも判断がつかないときは、略式を選んでおくと派を問わず使えます。
よくある質問
浄土真宗は位牌を使わないと聞きました。数珠にも独自の決まりがありますか
浄土真宗では位牌を用いず、過去帳や法名軸を使うのが基本です(扱いはお寺により異なります)。
数珠については、本式の形と房の仕立てが派ごとに決まっている点、そして珠を繰らない点が独自の決まりにあたります。
持ってはいけない素材や色といった制限は特にありません。
古くなった数珠はどう処分すればよいですか
菩提寺に相談してお焚き上げをしてもらう方法が一般的で、仏具店でも引き取りを受け付けている場合があります。
対応は寺院や店舗によって異なりますので、事前に確認してください。
糸が切れただけなら糸替えで直りますし、房が傷んだだけなら房替えで使い続けられます。
切れると不吉だという言い伝えには仏教的な根拠はなく、中糸の寿命だと考えて差し支えありません。
本願寺派の数珠で大谷派の法事に参列しても失礼になりますか
同じ浄土真宗のなかでの房の違いですので、参列そのものに支障はありません。
気になる場合は、房の形を問わない略式数珠を持つという選び方もあります。
自分の家の法事で使うものだけは、菩提寺の案内に合わせて揃えておくと迷いません。
女性用の二連は長くて扱いにくいのですが、一連を選んでもよいですか
二重に巻いて手に掛ける前提の長さなので、そのまま一連として垂らすと床に届きます。
扱いにくいと感じるなら、女性用の略式(一連)を選んで構いません。
本式にこだわるなら、珠が6mm前後の小ぶりなものを選ぶと二重にしたときの輪が締まり、合掌中にずり落ちにくくなります。
まとめ
浄土真宗の数珠は、回数を数える道具ではなく、合掌する手に掛ける仏具として持ちます。
本式は男性用が一連、女性用が108玉を二重にした二連で、本願寺派は紐房と切房、大谷派は頭付房という房の形で見分けます。
合掌のときは両手に掛け、珠を擦って音を立てません。
急な弔事で間に合わせるなら、略式の片手数珠でどの宗派の場にも出られます。
自分の家の法事や報恩講まで見据えるなら、派に合った本式を一本用意しておくと、房の形で迷うことがなくなります。
価格は略式で3,000〜10,000円程度、本式の二連で10,000〜30,000円程度が目安です。
ぜひ本記事の本願寺派・大谷派の比較表と、通販で注文する前に確かめる5項目を参考に、自分の派と性別に合った一本を選んでください。





