霊供膳の献立の作り方|精進料理の定番メニューと盛り付け

霊供膳(りょうぐぜん)の器を五つ並べたところで、何を盛るかが決まりません。ご飯と汁物、煮物、和え物、漬物の五品が基本の献立で、どの器に何を盛るかも器ごとに決まっています。
肉と魚を使わない精進料理で組むため、だしは昆布と干し椎茸から取り、ねぎやにんにくも外します。新しい料理を覚える必要はなく、煮しめと胡麻和え、漬物があれば形になります。
本記事では、五つの器に盛る定番メニュー・煮物の具材と味付け・山高に盛る盛り付け方・毎日供えるときの簡略化まで解説します。

いい仏具編集部
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※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
霊供膳の献立は五つの器で決まります
献立を白紙から考える必要はありません。
膳に付いている器の数と種類が、そのまま盛るものを指定しているためです。
一般的な五器の組み合わせと、入れる料理の対応はこうなります。
| 器 | 盛るもの | 具材の例 |
|---|---|---|
| 飯椀(めしわん) | 白飯 | ご飯を山高に盛る |
| 汁椀(しるわん) | 味噌汁・すまし汁 | 豆腐、わかめ、麩、みつば |
| 平椀(ひらわん) | 煮物(煮しめ) | 里芋、人参、こんにゃく、高野豆腐 |
| 壺椀(つぼわん) | 煮豆・和え物 | 黒豆、金時豆、胡麻和え、白和え |
| 高皿(たかざら) | 漬物(香の物) | たくあん、梅干し、奈良漬 |
器が四つの膳や、平椀と壺椀の位置が入れ替わる膳もあり、名称と配置は宗派と地域で違います。
器の数が手元の膳と合わないときは、汁物と煮物を優先して残りを省いてください。
膳全体の並べ方の基本は霊供膳の意味と並べ方で解説しています。
曹洞宗・真言宗・浄土宗など宗派ごとの置き方の違いは宗派別の霊供膳の並べ方で解説しています。
肉・魚を使わず、だしは昆布と干し椎茸から取ります
精進料理は、生き物の命を奪わないという考え方にもとづいて肉・魚・卵を使わない料理です。
食材だけ野菜にそろえても、だしにかつお節や煮干しを使えば魚が入ります。
献立作りでつまずくのは、たいていこのだしの部分です。
だしは水に浸けるだけで取れます
昆布と干し椎茸を水に入れて数時間おけば、煮物と汁物の両方に使えるだしになります。
前夜に水へ浸けておくと、当日は火にかけるだけで済みます。
市販のだしを使う場合は、原材料にかつおエキスや魚介系の調味料が入っていないかを確かめてください。
昆布だしや椎茸だしと書かれた粉末なら、そのまま使えます。
ねぎ・にんにくなどの五葷は外します
ねぎ・にんにく・にら・らっきょう・浅葱(あさつき)の五種を五葷(ごくん)と呼び、においが強く修行の妨げになるとして精進料理では避ける慣習があります。
玉ねぎも同じ扱いにする考え方があります。
味付けは醤油、みりん、砂糖、塩、味噌でまとめ、薄味で仕上げるのが慣習です。
どこまで厳格に守るかはお寺により異なりますので、菩提寺から指示があればそれに従ってください。
平椀の煮物は根菜と高野豆腐でまとめます
五品のうち、手間がかかるのは平椀の煮物です。
逆に言えば、煮物が決まれば献立の半分は終わります。
器は小さいので、量は大さじ二、三杯分あれば足ります。
具材は三〜五種類の炊き合わせ
里芋、人参、大根、ごぼう、蓮根、筍、干し椎茸、こんにゃく、高野豆腐、厚揚げ、絹さやから三〜五種類を選びます。
人参の赤と絹さやの緑を一切れずつ入れると、茶色に沈まずに見栄えが整います。
里芋は面取りをして煮崩れを防ぎ、こんにゃくは下ゆでしてから入れてください。
器が小さいため、具材は口径に合わせて小さめに切ります。
味付けは煮汁が残らない程度に
昆布と干し椎茸のだしに、醤油とみりん、砂糖を少量合わせて煮ます。
汁気が多いと膳を運ぶ途中でこぼれますので、煮汁がほぼなくなるまで煮詰めてから盛ってください。
家族の夕食用に煮しめを作る日なら、味付けの前に取り分けて薄味で仕上げると、一度の調理で両方そろいます。
汁椀・壺椀・高皿に盛る定番メニュー
残る三品は、煮物と比べれば手間がかかりません。買ってきたものを盛るだけで済む器もあります。
汁椀|味噌汁かすまし汁
豆腐とわかめの味噌汁、麩とみつばのすまし汁が定番です。
具は器に二つか三つ入る程度にとどめ、ねぎは散らしません。
器が浅いので、汁を張りすぎると移動中にあふれます。
壺椀|煮豆か胡麻和え
黒豆や金時豆の煮豆、ほうれん草や小松菜の胡麻和え、人参とこんにゃくの白和えを盛ります。
市販の煮豆をそのまま使ってもかまいません。
和え物は水気を絞ってから盛ると、膳が汚れずに済みます。
高皿|漬物を二切れほど
たくあん、奈良漬、梅干し、きゅうりの漬物など、家にあるものを二切れか三切れ盛ります。ここは買い置きで対応できる器なので、法要の前に漬物だけ用意しておくと献立が一つ埋まります。
霊供膳の盛り付けは山高に、箸は仏壇側へ
盛り付けの決まりは二点だけです。
ご飯は平らにならさず、丸く高く盛ります。
しゃもじで押し固めずに、小さな茶碗にご飯を詰めて飯椀へ返すと、形が崩れずに山高になります。
煮物や和え物も、器の縁まで平らに広げるのではなく中央を高くして盛ります。
膳を置くときは、箸を仏壇側に向けます。
故人が召し上がる向きに据えるという考え方で、自分から見ると箸が奥側に来ます。
器の蓋は、供えてから外して湯気を向けるやり方と、供える前に外しておくやり方があり、お寺により異なります。
供えたままにすると料理が傷みますので、線香が燃え尽きる頃か、遅くともその日のうちに下げてください。
下げた料理は家族でいただきます。
お供え物を下げる時間の考え方については仏壇のお供えのお菓子の置き方と下げるタイミングで解説しています。
毎日供えるなら献立を一汁一菜まで落とします
霊供膳は、命日や年忌法要、お盆、お彼岸といった節目に供えるのが基本です。
毎日のお供えはご飯と水、花と線香で足りますので、五品の膳を毎日作る必要はありません。
毎日のお供えの考え方は仏壇のお供えの基本と五供で解説しています。
そのうえで毎日霊供膳を出したい場合は、飯椀と汁椀に煮物を添えた三品まで落として続けるやり方があります。
家族の食事から肉・魚を含まないものを取り分ければ、調理は増えません。
お盆の間だけ毎食供える家もあり、この頻度もお寺と家の慣習で違いますので、菩提寺に確認してください。
続けられない献立を無理に組むより、節目にきちんと五品をそろえるほうが実際に手が動きます。
手作りが難しいときは乾物と市販品で献立を組みます
法要の朝は準備が立て込みますので、煮物から作る余裕がないこともあります。
高野豆腐、干し椎茸、切り干し大根、麩、乾燥わかめといった乾物を常備しておけば、買い物に出ずに五品を組めます。
煮豆と漬物は市販品をそのまま盛れますので、実際に火を使うのは煮物と汁物だけです。
仏具店や通販では、精進料理をフリーズドライにしたお供え用の膳も扱われています。
湯を注いで器に移すだけで五品がそろう形のもので、価格は一食分で数百円から1,500円程度が目安です。
2026年7月時点の情報で、取扱いのある品目や価格は店舗と時期によって変わります。
法要で親族が集まる日のお供えを合わせて考えるなら、お彼岸のお供えの定番と金額の目安も参考になります。
よくある質問
霊供膳のご飯は炊きたてでないといけませんか
炊きたてを供えるのが丁寧なやり方とされていますが、前に炊いたご飯を温めて盛ってもかまいません。
冷たいまま供えることを避け、温め直してから山高に盛ってください。
パックのご飯を使う家もあります。
煮物は前日に作っておいても大丈夫ですか
問題ありません。
煮しめは前日に作って冷蔵し、当日温め直してから盛ると当日の手間が減ります。
汁物だけは当日に温めて、湯気が立つ状態で供えてください。
器が足りないときはどうすればいいですか
膳の器が四つしかない場合は、壺椀の和え物か高皿の漬物を省いて、飯椀・汁椀・平椀を優先します。
器がまったくない場合も、小皿にご飯と煮物を盛って供えるやり方があります。
器の数より、肉・魚を使わずに作ったものを供えることを優先してください。
うっかりねぎの入った味噌汁を供えてしまいました
作り直しが間に合うなら入れ替えれば足りますし、供え終わってから気づいたのであれば、次回から気をつけるだけで問題ありません。
五葷を避けるのは精進料理の作法で、破ると罰が当たるという性質のものではありません。
気になるときは、次の法要で菩提寺に一言たずねてください。
まとめ
霊供膳の献立は、飯椀に白飯、汁椀に味噌汁かすまし汁、平椀に煮しめ、壺椀に煮豆か胡麻和え、高皿に漬物という五品で組みます。
使う食材から肉・魚・卵を外し、だしは昆布と干し椎茸から取り、ねぎやにんにくも使いません。
手間がかかるのは煮物だけで、残りは市販の煮豆と漬物でまかなえます。
盛り付けはご飯と煮物を山高にして、膳は箸が仏壇側に来る向きで据えます。
供えたままにせず、その日のうちに下げて家族でいただいてください。
毎日の供えはご飯と水で足りますので、五品の膳は命日や法要、お盆、お彼岸の節目にそろえる形で続けられます。
ぜひ本記事の五器と料理の対応表と、煮物の具材の組み合わせを参考に、無理なく続けられる献立で霊供膳を用意してください。




