SHARE:

浄土真宗に位牌はいらない?過去帳・法名軸の考え方

浄土真宗に位牌はいらない?過去帳・法名軸の考え方

四十九日を前に白木の位牌を本位牌へ作り替えようとして、「浄土真宗では位牌を用いません」と言われる場面があります。

浄土真宗では、位牌の代わりに過去帳(かこちょう)か法名軸(ほうみょうじく)へ法名を記し、仏壇に納めるのが基本の形です。

亡くなった人は阿弥陀仏のはたらきで浄土に生まれて仏になるとされ、魂が位牌に留まるという考え方を取らないためです。

ただし実際には位牌を安置している家庭もあり、扱いは寺院や地域によって異なります。

本記事では、位牌を用いない理由・過去帳と法名軸の書き方と置き場所・他宗派から改宗したときの位牌の扱いを解説します。

いい仏具編集部

「いい仏具」は、数珠・盆提灯・線香・位牌など、仏具の選び方と仏事マナーの実用情報サイトです。急に必要になったときに買える場所を、ダイソー・イオン・仏具専門店など身近な店の公式情報で確認して案内するほか、主要8宗派の作法の違い、素材の格と値段、修理・処分の方法、仏壇じまいや手元供養といった供養の変化まで、7つのジャンルで解説しています。価格や取扱状況にはすべて確認時点を明記し、変更を確認し次第更新しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

浄土真宗に位牌はいらない、が基本の考え方です

本願寺派・大谷派をはじめとする浄土真宗の各派では、仏壇の中心に阿弥陀仏の本尊を安置し、故人の名前は過去帳か法名軸に記します。

位牌を並べることが前提になっていません。

四十九日までに白木から本位牌へ作り替えるという、他宗派で広く行われている段取りが、そのまま当てはまらないわけです。

葬儀の場では白木の位牌が用意される場合があります。

これは仮のもので、法名を過去帳へ書き写したあとは寺院に納めてお焚き上げとする流れが取られます。

位牌そのものの成り立ちや種類については位牌とは何かをやさしく解説した記事で解説しています。

仏具店の店頭では、宗派を問わない形で位牌が並んでいます。売り場の品揃えから「浄土真宗でも必要なもの」と判断はできませんので、まず自分の家の宗派と菩提寺の考え方を確かめてください。

用いない理由は、亡くなればすぐ仏になるという教えです

浄土真宗では、人は臨終と同時に阿弥陀仏の本願のはたらきによって浄土に生まれ、仏になるとされています。

魂がこの世に留まり、札に宿るという筋立てを取りません。

そのため、魂の居場所として位牌を用意する理由が生じないのです。

位牌の出どころも関係します。

位牌は中国の儒教で祖先の名を記した木の札に由来するとされ、日本に仏教が広まる過程で取り込まれた仏具と説明されます。

仏教そのものが最初から備えていた道具ではない、という理解が根拠の一つになっています。

法事の意味づけも他宗派とは違います。

故人のために功徳を積み足す追善供養ではなく、残された者が仏法に出会う場として営まれます。

名前も戒名ではなく法名と呼び、戒律を受ける作法を取らないためです。

法名は生前に帰敬式(ききょうしき)を受けて授かることもできます。

過去帳と法名軸が受け持つ役割

位牌を置かない代わりに、故人の法名を書き残す道具として使われるのが過去帳と法名軸です。どちらも仏壇に納めますが、形と置き場所が異なります。

過去帳

折り本や帳面の形をした帳面で、法名・俗名・亡くなった年月日・年齢を書き入れます。

一冊に代々の法名を記していけるため、家の記録簿としての役目も兼ねます。

日付が刷り込まれた日付入りのものと、記した順に書き足していくものがあります。

法名軸

法名を記した小さな掛け軸で、仏壇の内側の左右の壁に掛けて安置します。

一人につき一軸とする仕立てのほか、複数の法名を連記できる連名の軸もあります。

掛け軸の形をとるため、正面の本尊を隠さない位置に収まります。

どちらを使うかは菩提寺の慣習で決まる

過去帳だけの家もあり、法名軸を主として過去帳を併用する家もあります。派の違いよりも、同じ派の中での地域差や寺院ごとの案内によって分かれますので、法名を記す前に菩提寺へ確認してください。

過去帳の書き方と仏壇への安置

書き入れる内容は、法名を中心に、俗名・没年月日・行年(享年)を添える形が広く行われています。

日付入りの過去帳を使う場合は、亡くなった日のページを開いてそこに記します。

命日が来ればそのページが表に出るため、日付入りは月ごとの参りに合う仕立てです。

文字は住職に依頼して書いてもらう形が一般的です。

家族が自分で記しても差し支えありませんが、法名の表記や院号の扱いで指示がある場合がありますので、先に寺院へ相談してください。

鉛筆やボールペンではなく、墨か筆ペンで書き入れます。

安置の場所は、本尊の正面をふさがない位置です。

過去帳は見台(けんだい)に載せて仏壇の下段や脇に置き、参らないときは引き出しや戸棚に納めます。

なお、複数の法名を一つにまとめる道具として他宗派で使われるのが繰り出し位牌で、その構造と使い方は繰り出し位牌の札板の入れ替えを扱った記事で解説しています。

浄土真宗では同じ役目を過去帳が担うため、置き換えて考えると分かりやすくなります。

位牌を置いている浄土真宗の家庭もあります

教義上は用いないとされていても、家に位牌が並んでいる例はあります。

他宗派から改宗した家、婚姻や分家で仏壇を引き継いだ家、地域の慣習として仏具店が位牌を勧めてきた家など、事情はさまざまです。

すでに位牌があるからといって、間違いだったと考える必要はありません。

対応は寺院によって分かれます。

位牌を下げて過去帳へ書き写すよう案内する寺院もあり、置いたままで構わないとする寺院もあります。

判断を自分で決める前に菩提寺へ相談すると、法要の進め方まで含めて指示が得られます。

「位牌を作りたい」という希望の中身は、手を合わせる先が欲しい、名前をかたちに残したい、というところに寄ります。

その願いは法名軸でも満たせます。

軸には法名がはっきり記され、仏壇の中に常に掛かった状態になるためです。

位牌を作らない選択そのものに迷いが残る場合は、位牌を作らないとどうなるかを扱った記事で現代の選択肢を解説しています。

他宗派から改宗したときの位牌の扱い

先祖代々の位牌がある状態で浄土真宗の寺院と縁を結ぶ場合、位牌に刻まれた戒名を過去帳へ書き写し、位牌は寺院に納めてお焚き上げとする流れが取られます。

書き写しは住職に依頼できますので、位牌をすべて持参して読みを確認してもらってください。

戒名は改めて法名に付け替えるのではなく、記録として過去帳に残します。

仏壇そのものを入れ替える場合は、本尊を新たに迎える法要を営みます。

呼び方は入仏法要・入仏式・御移徙(おわたまし)などお寺により異なりますので、日取りとあわせて確認してください。

古い仏壇を下げる手順や家族で決めておくことは、仏壇じまいの流れを解説した記事で扱っています。

位牌を手放すときの流れと費用の目安

以下の金額は2026年7月時点の目安で、実際の額はお寺と地域によって異なります。

位牌を下げる場合、家庭ごみとして捨てるのではなく、寺院に納めてお焚き上げをしてもらいます。

他宗派では魂抜き・閉眼供養と呼ばれる勤めを先に行いますが、浄土真宗は位牌に魂が宿るとしないため、読経の名目や進め方が寺院によって変わります。

依頼のときに「位牌を納めたい」と用向きを伝えれば、その寺院の形で案内されます。

お布施の額はお寺により異なり、読経を伴う場合は数千円から数万円の幅で包まれる例が見られます。

仏具店や専門業者にお焚き上げだけを依頼する形なら、数千円から一万円台の設定が中心です。

手順と費用の内訳は位牌の処分方法とお焚き上げの流れをまとめた記事で解説しています。

新しく用意する側の費用は、過去帳が数千円から、法名軸が数千円から二万円台までが目安になります。サイズは仏壇の内寸に合わせる必要がありますので、仏壇の高さと内側の幅を測ってから注文してください。

よくある質問

葬儀で渡された白木の位牌はどうすればよいですか

白木の位牌は仮のものとして扱われます。

浄土真宗では本位牌に作り替えず、法名を過去帳か法名軸へ移したあと、寺院に納めてお焚き上げとする流れが一般的です。

四十九日の法要にあわせて持参できるか、菩提寺に確認してください。

過去帳は家族が自分で書いても構いませんか

家族が書くことは差し支えありません。ただし法名の表記や院号の位置、複数名を記すときの並べ方に寺院ごとの指示がある場合がありますので、最初の一名分は住職に書いてもらい、以降は同じ書式に倣うと迷いません。

繰り出し位牌は浄土真宗で使えますか

繰り出し位牌は札板を重ねて複数の戒名を納める位牌で、位牌を用いる宗派の道具です。

浄土真宗では同じ目的を過去帳が果たしますので、代々の法名をまとめたい場合は過去帳か連名の法名軸を選ぶ形になります。

すでに繰り出し位牌がある場合の扱いは、菩提寺に相談してください。

大谷派と本願寺派で位牌の扱いは違いますか

どちらの派も位牌を用いないという点では共通しています。

差が出るのは過去帳と法名軸のどちらを主に使うかという慣習の部分で、派の違いというより地域や寺院による違いが大きく出ます。

仏壇の飾り方とあわせて、お参りしている寺院の案内に従ってください。

まとめ

浄土真宗で位牌を用いないのは、亡くなった人が阿弥陀仏のはたらきで浄土に生まれて仏になるとされ、魂を留める札を必要としないという教えからです。

法名を書き残す役目は過去帳と法名軸が担い、仏壇の中心には阿弥陀仏の本尊を安置します。

四十九日までに本位牌を用意するという段取りは、そのまま当てはまりません。

とはいえ、改宗や地域の慣習で位牌が家にある例はあり、下げるか置いたままにするかの判断は寺院によって分かれます。

位牌を作りたい気持ちがある場合も、法名軸なら名前をかたちにして仏壇に掛けられますので、選択肢として比べてみてください。

過去帳や法名軸のサイズは仏壇の内寸に左右されますから、採寸を先に済ませておくと注文がすぐ進みます。

ぜひ本記事の過去帳と法名軸の使い分け・書き方と安置の位置・位牌を手放すときの流れを参考に、菩提寺へ相談する前の下調べを済ませてください。

あなたへのおすすめ