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繰り出し位牌とは?使い方・札板の入れ替えと値段の目安

繰り出し位牌とは?使い方・札板の入れ替えと値段の目安

仏壇の中に板位牌が7本並んで、扉が閉まらなくなっています。こうした場面で使われるのが繰り出し位牌(くりだしいはい)で、箱型の本体に故人ごとの札板(ふだいた)を6〜10枚ほど重ねて納め、1本で何人分もの戒名をまとめられる作りになっています。

命日が近づいた方の札板を最前列へ出して供養するところから、繰り出しという名が付きました。本記事では、札板の重ね方と命日順の並べ替え、入れ替えや追加の手順、文字入れを誰に頼むか、本体と文字入れの値段の目安を解説します。

いい仏具編集部

「いい仏具」は、数珠・盆提灯・線香・位牌など、仏具の選び方と仏事マナーの実用情報サイトです。急に必要になったときに買える場所を、ダイソー・イオン・仏具専門店など身近な店の公式情報で確認して案内するほか、主要8宗派の作法の違い、素材の格と値段、修理・処分の方法、仏壇じまいや手元供養といった供養の変化まで、7つのジャンルで解説しています。価格や取扱状況にはすべて確認時点を明記し、変更を確認し次第更新しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

繰り出し位牌とは|札板を重ねて納める箱型の位牌

繰り出し位牌は、外側の箱(本体)と、中に納める薄い札板の組み合わせでできています。

繰出位牌、回出位牌と書かれることもありますが、指しているものは同じです。

一人につき一本を作る板位牌と違い、本体は1本のままで、中の札板だけが人数分増えていきます。

いちばん前に来るのは、故人の戒名ではなく「◯◯家先祖代々之霊位」と記した表書きの板です。

扉を閉めた状態で外から見えるのはこの1枚だけなので、仏壇の中に位牌が何本も並ぶ見た目にはなりません。

後ろに控える札板には、それぞれ戒名(浄土真宗では法名)と没年月日、裏面に俗名や行年を記します。

形は、金箔や金粉文字を使った塗りのもの、黒檀・紫檀といった唐木のもの、仏壇に合わせて木目を生かしたモダンなデザインのものまで幅があります。

板位牌と同じく、四十九日まで使う白木の仮位牌とは役割が別です。

位牌そのものの意味や種類の全体像は位牌とは何かをまとめた解説で解説しています。

中の作り|札板の枚数と命日順の並べ方

納められる札板の枚数は製品ごとに決まっており、6枚、8枚、10枚といった構成が中心です。

片面にひとりずつ記すか、表裏を使って2名分を記すかで、収まる人数も変わります。

両面に記す形にすれば、10枚の本体で20名分を納められる計算になります。

並べる順番は、亡くなった年の古い順ではなく、命日の月日順です。

1月の命日から12月の命日へと順に重ね、年が変われば同じ順番を繰り返す形になります。

そして祥月命日(しょうつきめいにち)や月命日が近づいたら、その方の札板を表書きの板のすぐ後ろへ移して手前に出します。

この入れ替えの動作が「繰り出す」で、そのまま名前になりました。

順番を厳密に守るかどうかは家やお寺の考え方によります。

命日ごとに動かさず、亡くなった順に固定したまま祀る家もあります。

どちらが正しいという決まりは広く共通しておらず、菩提寺(ぼだいじ)の指示があればそれに従ってください。

先祖代々をまとめたいときに繰り出し位牌を選ぶ

選ぶきっかけになるのは、仏壇の中に置き場所がなくなったときです。

板位牌は一人一本のため、代を重ねれば本数がそのまま増えます。

上段が埋まって本尊の前まで位牌が出てしまう状態になったら、繰り出し位牌への切り替えが検討されます。

もうひとつは、三十三回忌や五十回忌での弔い上げ(とむらいあげ)です。

ここで個別の供養を区切り、それまでの板位牌を繰り出し位牌の札板にまとめる形が各地で行われています。

何回忌を弔い上げとするかは宗派と地域で違うため、年回の数え方はお寺に確かめてください。

仏壇を小さく買い替える、あるいは家の仏壇を閉じるという流れの中で位牌を整える場合は、仏壇じまいの準備と家族で決めることで解説している段取りと合わせて考えると順番を間違えずに進められます。

仏壇の内寸と本体サイズの確認

繰り出し位牌のサイズは、3.5寸・4.0寸・4.5寸のように札板の寸法で表示されます。

箱型で奥行きと幅があるため、同じ寸数の板位牌より場所を取ります。

買う前に仏壇の棚板の高さと奥行きを測り、扉を閉めたときに当たらないか、本尊を見上げる高さを越えないかを確かめてください。

まとめ終えた古い位牌の扱い

札板に書き写したあとの板位牌は、そのまま家庭ごみに出す扱いにはなりません。

お寺や仏具店でお焚き上げを頼むのが一般的な流れで、費用や受け付けの条件は依頼先ごとに違います。

手順と費用感は位牌の処分方法と魂抜きの流れで解説しています。

札板の入れ替えと追加の手順|繰り出し位牌を傷めない扱い方

札板の出し入れは家で行えます。

開け方は製品によって分かれ、前面の扉を開いて抜き差しするものと、本体上部の笠(屋根の部分)を外して上から入れるものがあります。

どちらも差し込む溝が浅いので、斜めに押し込むと角が欠けます。

手を洗って乾かしてから作業してください。

金粉や金箔で書かれた文字は指の脂と摩擦に弱く、文字の上を親指で押さえて何度も抜き差しすると擦れて薄くなります。

持つのは札板の縁で、文面には触れないようにします。

抜いた札板を机に直接置くと塗りに傷が付くため、下に柔らかい布を敷いてから並べ替えるのが扱いやすい方法です。

札板が足りなくなったときは、同じ製品の別売り札板を追加します。

寸法と厚みが合わないものは溝に入らないので、購入時の販売店や製品名が分かる状態にしておいてください。

本体を買った店が分からない場合は、仏具店に本体を持ち込んで寸法を測ってもらう方法があります。

取り寄せになる商品は、注文した日に文字入れまで終わるわけではありません。

文字入れは誰が書くのか|仏具店と菩提寺、お布施の考え方

札板の文字入れは、仏具店に頼む方法と、菩提寺の住職に書いていただく方法に分かれます。

仏具店では機械彫りと手書きの両方を請け負っており、すでに入っている札板の書体や字の大きさに合わせてもらえます。

文字の並びを揃えたい場合は、既存の札板を1枚持参して見本にする形が取りやすいです。

お寺に依頼するときは、代金ではなくお布施として包みます。

金額を明示しないお寺も多いため、包む額の目安は直接伺ってください。

地域によっては、戒名は住職が書くものという慣習が残っています。

自分で書いてはいけないという仏教上の決まりはありませんが、毛筆で既存の書体に合わせる作業になるので、書き損じが直せない点は先に承知しておいてください。

依頼のときに渡す情報は、戒名(法名)、没年月日、俗名、行年です。

古い板位牌や過去帳から写し、読み違えやすい漢字には読みを添えて渡すと、彫り上がりの間違いを防げます。

白木位牌に書かれた「新帰元」などの冠文字を本位牌に入れるかどうかは宗派と寺院で異なるので、原稿を渡す段階で確認してください。

繰り出し位牌の値段の目安|本体・札板・文字入れ

以下は2026年7月時点の一般的な目安で、素材と仕上げ、依頼先によって上下します。

項目目安
本体(唐木・塗り・モダンなデザイン)1万〜5万円程度
札板の追加(1枚)数百円〜3,000円程度
文字入れ(1名分・仏具店)2,000〜5,000円程度
寺院に書いていただく場合のお布施3,000円〜1万円程度(お寺により異なります)
開眼供養のお布施お寺により異なります

金額が読みにくくなるのは文字入れです。

本体の価格に何名分かの文字入れが含まれる商品と、本体のみで1名ごとに加算される商品があり、先祖代々の分をまとめて10名入れると本体より高くなる場合もあります。

見積もりは「本体+人数分の文字入れ」の合計で出してもらってください。

板位牌と比べた費用の考え方は位牌の値段相場と戒名入れ費用の目安で解説しています。

新しく作った位牌には、開眼供養(かいげんくよう)をお願いするのが通例です。四十九日や年回法要と同じ日に合わせれば、別の日に来ていただく必要がなくなります。

宗派で変わる点|浄土真宗と曹洞宗の扱い

浄土真宗は位牌を用いず、過去帳と法名軸(ほうみょうじく)で法名を記して伝えるのが基本の考え方です。

そのため繰り出し位牌も本来は用いません。

ただし地域や寺院によっては、札板に法名を記す形の繰り出し位牌を認めている場合があり、仏具店でも浄土真宗向けとして扱われています。

用いてよいかはお寺の判断になりますので、購入前に確認してください。

考え方の背景は浄土真宗と過去帳・法名軸の解説で解説しています。

曹洞宗では繰り出し位牌が使われており、形そのものに制限はありません。

書き方の細部、たとえば戒名の上に置く冠文字や、裏面に俗名と行年をどう並べるかは寺院ごとの流儀があります。

同じ宗派でも隣の寺と書式が違うことがあるため、原稿は菩提寺に見てもらってから発注するのが行き違いのない進め方です。

よくある質問

札板は何枚まで増やせますか

本体の溝の数が上限で、6枚から10枚前後の製品が中心です。

上限に達したら、表裏の両面に記す形に切り替えるか、本体をひとつ増やすかの選択になります。

無理に溝へ重ねて差すと、扉が閉まらなくなるか札板が反ります。

弔い上げを済ませていない人も入れられますか

入れてはいけないという共通の決まりはありません。

三十三回忌などの区切りでまとめる家がある一方、亡くなった時点から繰り出し位牌に納める家もあります。

家の慣習と菩提寺の考え方の両方を確かめてから決めてください。

札板の並べ替えを忘れていました。問題になりますか

作法として失礼にあたるという決まりはなく、気づいた時点で命日順に戻せば足ります。毎月動かす前提が負担になる場合は、命日順に固定したまま祀る形をお寺に相談してください。

仏壇に合わせたモダンなデザインでも失礼になりませんか

繰り出し位牌の形や色に宗派上の決まりはないため、木目を生かしたタイプでも用いられています。判断の分かれ目になるのは仏壇との釣り合いで、本尊より高くならないこと、棚板の奥行きに収まることの2点を満たしていれば問題ありません。

まとめ

繰り出し位牌は、箱型の本体に札板を重ねて納め、1本で複数の戒名や法名を祀る位牌です。

表書きの板を最前に置き、後ろの札板を命日の月日順に並べて、命日が近い方を手前へ繰り出して供養します。

仏壇の中で板位牌が置き切れなくなったとき、あるいは弔い上げの区切りで先祖代々の分をまとめるときに選ばれます。

費用は本体だけでは決まらず、文字入れが人数分で加算される点に注意してください。

札板の追加は同じ製品の寸法に合うものが必要で、文字入れを仏具店に頼むか菩提寺にお願いするかでも包む金額の性質が変わります。

浄土真宗のように位牌を用いない考え方の宗派では、使えるかどうかがお寺の判断になります。

ぜひ本記事の値段の目安の表と、文字入れを依頼する前に確認する原稿の項目を参考に、菩提寺と仏具店に相談する順番を決めてください。

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