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精霊馬(しょうりょううま)とは?意味と由来・飾る時期

精霊馬(しょうりょううま)とは?意味と由来・飾る時期

スーパーのお盆コーナーに、なすときゅうりと一緒に4本入りの割り箸が並んでいます。

この2本の野菜で作るのが精霊馬(しょうりょううま)で、きゅうりは足の速い馬、なすは歩みの遅い牛に見立てた、ご先祖をお迎えして送り出すための乗り物です。

お盆は8月13日から16日(地域によっては7月)で、精霊馬もこの期間に合わせて飾ります。

ただし全国どこでも飾るものではなく、浄土真宗のように用いない宗派もあります。

本記事では、精霊馬の読み方と意味・なすと牛きゅうりと馬の由来・飾る時期と向き・宗派と地域による違い・お盆が終わった後の処分方法を解説します。

いい仏具編集部

「いい仏具」は、数珠・盆提灯・線香・位牌など、仏具の選び方と仏事マナーの実用情報サイトです。急に必要になったときに買える場所を、ダイソー・イオン・仏具専門店など身近な店の公式情報で確認して案内するほか、主要8宗派の作法の違い、素材の格と値段、修理・処分の方法、仏壇じまいや手元供養といった供養の変化まで、7つのジャンルで解説しています。価格や取扱状況にはすべて確認時点を明記し、変更を確認し次第更新しています。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

精霊馬とは、なすときゅうりで作るご先祖の乗り物

精霊馬は「しょうりょううま」と読みます。

「せいれいば」ではありません。

精霊(しょうりょう)はお盆に帰ってくるご先祖の霊のことで、その霊が乗る馬、という意味の言葉です。

きゅうりに割り箸や爪楊枝を4本刺して脚に見立てたものが馬、なすに同じように脚を付けたものが牛にあたります。2つを合わせて「精霊馬・精霊牛」と呼び分けることもありますが、ひとまとめに精霊馬と呼ぶ言い方が一般的です。

役割は乗り物です。

お盆の入りにご先祖があの世からこの世へ帰ってくるとき、足の速い馬に乗って少しでも早く家に着いてほしいという願いです。

お盆が明けて戻るときは、歩みの遅い牛に乗ってゆっくり帰ってほしいという意味が込められています。

さらに牛には、家族が用意した供え物を背負って運んでもらう、という意味も添えられています。

行きと帰りで乗り物を替える発想そのものが、迎える側の気持ちを形にした飾りといえます。

なぜきゅうりとなすなのか

由来を記した確かな文献は残っておらず、はっきりした起源は分かっていません。

広く言われているのは、お盆の時期に全国どこの家庭でも手に入りやすい夏野菜だったから、という説明です。

きゅうりの細長い形が馬の胴に、なすのふっくらした形が牛の体に似ていることも、見立てとして自然だったとされています。

精霊馬が庶民の間に広まったのは江戸時代ごろと言われますが、地域ごとに形も呼び名も違っており、全国共通の決まりごととして始まったものではありません。

精霊馬を飾る時期は、お盆の入りから明けまで

飾る期間は、お盆の期間そのものと重なります。

8月13日の迎え盆に飾り始め、16日の送り盆まで置いておくのが基本の流れです。

7月盆の地域(東京の一部など)では、そのまま1か月前倒しで7月13日から16日になります。

「いつから」で迷うなら、13日の朝から夕方までに飾ってください。

ご先祖が家に着く前に乗り物を用意しておく、という考え方によるものです。

12日のうちに盆棚(ぼんだな)ごと整えてしまう家庭もあり、これも早すぎるということはありません。

迎え火を焚く時間帯や、13日という日付が地域でどうずれるかは、迎え火・送り火はいつ?日にちと時間帯・地域差で解説しています。

精霊馬を出すタイミングは迎え火とセットで決まるので、自分の地域の日取りを先に確かめておくと迷いません。

飾り始めと片付けが前後してもよいか

お盆の飾りは、13日より前に出しても失礼にはあたりません。

盆提灯などは1週間ほど前から出す家庭もあります。

ただし精霊馬は生野菜なので、早く出すほど傷みます。

真夏の室内に4日間置くだけでもしなびてくるため、13日当日に作るのが実際的です。

お盆飾り全体の出し入れの目安は、お盆飾りはいつからいつまで?出す日・片付けと使い回しで解説しています。

飾り方と向き|迎えは内向き、送りは外向き

置く場所は、盆棚(精霊棚)の上か、仏壇の前です。

盆棚を組む場合は、位牌や供え物を並べた手前の左右に、馬と牛を並べて置きます。

盆棚を出さない家庭では、仏壇の前に小さな台を置いて、その上に乗せる形でかまいません。

向きには、広く知られた考え方があります。

迎え盆の13日は、ご先祖が家に入ってくるので、馬の頭を家の内側(仏壇側ではなく室内の奥)に向けます。

送り盆の16日は、帰っていく方向、つまり家の外や玄関のほうへ頭を向け替えます。

13日から15日までは馬を前に、16日になったら牛を前にして向きを変える、という置き方をする家庭もあります。

ただし、この向きの決まりは地域や家によって逆に伝わっていることもあります。

馬を西(西方浄土の方角)に向ける、迎えも送りも仏壇に向ける、といった作法も残っており、どれか一つが正解というものではありません。

実家や菩提寺(ぼだいじ)で決まった置き方があるなら、それに合わせてください。

盆棚そのものの組み方や、供え物をどこに置くかは盆棚の飾り方|配置の基本と宗派による違いで解説しています。精霊馬の置き場所は棚全体の配置が決まってから考えると収まりがよくなります。

精霊馬を飾らない地域・飾らない宗派がある

精霊馬は全国一律の習慣ではありません。飾る地域と飾らない地域があり、飾る地域の中でも形が違います。

宗派でいちばんはっきりしているのが浄土真宗です。

浄土真宗では、亡くなった方は阿弥陀如来の力によってただちに浄土に生まれると考えるため、お盆に霊が家へ帰ってくるという捉え方をしません。

そのため盆棚を組まず、精霊馬も用意しないのが基本です。

位牌を用いず過去帳や法名軸を使う点も同じ考え方から来ています。

ただし地域の慣習として飾る家庭もあり、扱いはお寺によって異なります。

地域差では、東北や北陸の一部で藁(わら)や真菰(まこも)で編んだ馬を使う例、沖縄でサトウキビを杖として供える例など、野菜を使わない形も伝わっています。関西では精霊馬を飾らない家庭も多く、代わりに供え物や盆提灯に重きを置く地域もあります。

状況精霊馬の扱い
浄土真宗霊が帰るという考え方を取らないため、基本的に飾りません
その他の宗派宗派としての禁止はなく、地域と家の習慣に従います
飾る習慣のない地域無理に始める必要はありません
嫁ぎ先・引っ越し先で分からない菩提寺か近所の年長者に確かめてください

宗派を問わず言えるのは、飾らないことが供養を欠くことにはならない、という点です。精霊馬は教義に定められた仏具ではなく、民間で育った風習にあたります。

作るときに使うものと、置物タイプという選択肢

材料は、きゅうり1本・なす1本・割り箸か爪楊枝が4本ずつあれば足ります。

割り箸は太くて安定し、爪楊枝は細いぶん見た目がすっきりします。

まっすぐで太さのあるきゅうりと、ヘタがしっかり残ったなすを選ぶと、脚を刺したときに自立しやすくなります。

刺す角度や脚の長さのそろえ方といった具体的な手順は、精霊馬の作り方|なすときゅうりで作る手順と向きの決まりで解説しています。

生野菜以外に、木彫りや陶器、ちりめん細工の精霊馬の置物も市販されています。

毎年作る手間がかからず、傷まないので繰り返し使えます。

集合住宅で処分に困る場合や、お盆の期間中に留守にする場合には選ばれています。

価格は素材と作りで幅があり、簡素なものは数千円台、木彫りや細工もののなかには1万円を超えるものもあります(2026年7月時点の一般的な価格帯です。

取扱いは店舗や時期で変わります)。

仏具店のほか、お盆前の時期には通販でも扱われています。

置物を選ぶときは、盆棚や仏壇の前に置ける寸法かどうかを先に測ってください。

写真では小さく見えても、実寸で20cmを超えると盆棚の上が窮屈になります。

お盆が終わったら|精霊馬の処分方法

16日の送り盆が済んだら片付けます。

かつては川や海に流す、送り火と一緒に燃やす、という送り方がありましたが、今はどちらも現実的ではありません。

川や海への流し物は環境保全の面から各地で禁止されており、住宅地で焚き火をするのも難しいためです。

現在の一般的な処分方法は、白い紙か半紙に包んで、家庭ごみとして出す形です。

塩をひとつまみ振って清めてから包む、という方法も広く行われています。

可燃ごみか生ごみかは自治体の分別に従ってください。

食べ物を粗末にするようで気が引ける場合もありますが、一度供えたものを食べるのは避けるのが一般的で、傷んだ野菜を口にするのは衛生面でもすすめられません。

お寺によっては、お盆の飾りをまとめて引き取り、お焚き上げをしてくれるところもあります。

菩提寺に相談してみてください。

なお、割り箸や爪楊枝は野菜から抜いて、素材ごとに分けて捨てます。

送り火に使う麻の茎については、おがらとは?迎え火での使い方と燃やし方・買える場所で解説しています。

よくある質問

精霊馬は「せいれいば」と読んでもいいですか

読み方は「しょうりょううま」です。

お盆に帰ってくる霊を精霊(しょうりょう)と呼ぶことに由来する読みで、「せいれい」とは読みません。

馬と牛を分けて呼ぶときは、なすのほうを精霊牛(しょうりょううし)と言います。

きゅうりとなすが手に入らない場合、別の野菜でもいいですか

形の似た夏野菜で代用している地域もあります。

もともとが手近な野菜を使った見立てなので、材料そのものに決まりはありません。

とうもろこしの皮やわらで馬を作る地域もあります。

どうしても用意できなければ、置物タイプを使うか、その年は飾らずに供え物と盆提灯で迎える形でもかまいません。

マンションのベランダや玄関先に置いてもいいですか

精霊馬は盆棚か仏壇の前に置くもので、屋外に出す飾りではありません。

玄関に置く例もありますが、直射日光と高温で野菜が早く傷みます。

室内の風通しのよい場所に置いて、4日間の様子を見ながら、崩れてきたら早めに片付けてください。

初盆でも普通のお盆と同じように飾りますか

精霊馬そのものの作り方や向きは、初盆でも通常のお盆でも変わりません。

初盆で違ってくるのは、白提灯(白紋天)を使う点や、法要を営む点です。

白提灯は初盆の年だけのもので、2年目以降は絵柄の入った盆提灯に替わります。

まとめ

精霊馬は、きゅうりの馬で早く帰ってきてもらい、なすの牛でゆっくり戻ってもらうという、迎える側の気持ちを形にした夏の風習です。飾るのは8月13日から16日(7月盆の地域は7月13日から16日)で、迎え盆は家の内側へ、送り盆は外へ頭を向けるのが広く知られた置き方にあたります。

ただし向きも形も地域と家で伝わり方が違い、浄土真宗のように飾らない宗派もあります。

ここで迷ったら、実家か菩提寺に確かめるのが確実です。

決まりに忠実であることよりも、ご先祖を迎える気持ちを形にすることが、この風習の中身にあたります。

片付けは、白い紙に包んで自治体の分別に従って出すか、お寺のお焚き上げに出してください。ぜひ本記事の飾る時期と向きの決まり、宗派・地域による扱いの違いを参考に、今年のお盆の準備を進めてください。

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